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2009年に掲載したキラウエア火山情報

Update: 2009年11月2日

“新しいオーシャンエントリーが誕生、130号線が溶岩流に飲み込まれる”

ここ数週間少しずつ前進してきた最新の溶岩流が今朝(ハワイ時間の10/31の7:30AM頃)遂に海に到着しました。
最初溶岩流はカラパナ方面に進んで行き、林を燃やしながら130号の最終地点に向かっていました。実際先週末、溶岩流の間に残っていた130号の一部(アスファルトの元からあった道)が飲み込まれました。このまま行ったら、カラパナ近くのオーシャンエントリーのビューポイントも飲み込のではと予測していました。しかしこちらはかなり失速して空から見る限りでは地上を流れる溶岩の量はかなり減った感じです。

その代わりに枝分かれしていたもう一つの溶岩流が元気になりはじめました。ここ数日間、海に向かってジワジワと前進していました。そして昨日の朝、遂に新しい溶岩流が海に達して新しいオーシャンエントリーが誕生したわけです。今まであったオーシャンエントリー(ワイクパナハ)より300〜400m南西に位置しています。またチャンスがあったら、動画をHPで紹介したいと思っています。


Update: 2009年3月21日
“変化の多いコースタル・プレーン/オーシャンエントリーの共演”

キラウェア火山は相変わらず活発で、海岸線沿いで溶岩も結構見えています。
約1年前の2008年3月12日に始まった“ハレマウマウ火口の新噴火”からは硫黄濃度のかなり濃い白煙が空へ向かって高く上っています。直径約1km、深さ約100mもあるハレマウマウ火口からの立ち上がるこの白煙は迫力があり、見ものです。(無風状態、または南からの風が吹いて白煙が国立公園全体を覆ってしまうと、公園が完全閉鎖になる事もあるので行く前に確かめて下さい。)

現在溶岩が見えているのは、海岸線沿いだけです。PuuOo火口付近から吐き出される溶岩は、2008年2月〜3月にかけて出来上がったラバチューブ内を流れ海に流れ込みながら(オーシャンエントリー)、水蒸気雲(スティーム)を海岸線からモクモクと上げています。

メインのオーシャンエントリーは130号線の最終地点側(カラパナ付近の国立公園外)に位置していて、ワイクパナハ(Wai Kupanaha)と呼ばれています。
激しい水蒸気爆発を繰り返し、ブラックサンドと一緒に赤い溶岩の塊が空に向かって数十メートルも飛び散ったりもします。(これは夜見ると、飛び散る溶岩が花火のように見えて見ごたえがあります。130号の最終地点から歩いて行ける展望台からこの様子を見ることが出来ます。)

そしていま一番変化があって目が離せないのが、海岸線沿いの平地(コースタル・プレーン:Coastal Plain)での新しいチューブの形成と新オーシャンエントリーです。
ロイヤルガーデン内(溶岩に襲われてほぼ全滅した住宅街)の斜面を貫通しているラバチューブは、ロイヤルガーデンの斜面とコースタル・プレーン平地の境目付近で東に(溶岩の進行方向から見ると左)屈折しています。そしてワイクパナハに流れ込んでいるわけです。この屈折部分は溶岩にとっては、不自然な屈折。“溶けた固体”である溶岩は水と同様で抵抗が少なく、一番簡単に流れる事が出来る方向をいつも選ぼうとします。

今年に入ってから、新しいチューブを形成しようとする溶岩は坂の下で屈折せず真っ直ぐにコースタルプレーンを進み始めました。地表を手探りするかのように海岸に向かって駒を進めていた溶岩の先端が1/22(?だったと思います)に海に辿り着き“新オーシャンエントリー”が誕生しました。これがワハウラ(Wahaula)です。国立公園内にまたオーシャンエントリーが出来ました。
しかし火口からの溶岩の量が一瞬激減したため、チューブはコースタルプレーンで萎縮してしまい直ぐに姿を消しました。

その後、また溶岩は新しい進路を見つけ2/20にポウポウ(Poupou)エントリーが誕生。しかし今度は雨が続きチューブが冷え固まり、ポウポウも短い命でした。

最新のオーシャンエントリーは3月の中旬に誕生し、クパパウ(Kupapa’u)と名づけられました。(このアップデートを書いた3/21現在、ワイクパナハとクパパウの二箇所オーシャンエントリーがあります。) 
海に流れ込んでいる溶岩の量はまだワイクパナハに比べたら少ないもので、赤ちゃんオーシャンエントリーという感じです。溶岩が海に辿り着いたばかりという事もあって、クパパウでは溶岩が海岸の崖っぷちを流れる幾筋もの溶岩滝となって見えます。

下は当社のHPでも紹介を始めた“溶岩ボートツアー”からの様子です。今現在、成長するキラウェアを体感する一番の方法は、オーシャンエントリーを間近で見られるこのツアーです。このチャンスをお見逃し無く!
→YouTubeで溶岩の様子を見る ※音が出ます
→溶岩ボートツアーの詳細を見る

大迫力のお父さんワイクパナハと赤ちゃんクパパウ・オーシャンエントリー、素敵な共演を見せてくれています。いずれかは赤ちゃんのクパパウが独り立ちして、ワイクパナハが引退(衰退)する日が来ると思います。
大きく成長していくクパパウから目が離せません。


Update: 2009年1月23日
“火山活動は活発”

ハレマウマウ火口では2008年3月に噴煙を上げ始めて以来、現在も硫黄の濃度の濃い白煙が元気に立ち上がっています。また、プウオオ火口からの溶岩は地下のラバチューブ(溶岩トンネル)を通って海に流れ込み、素晴らしいオーシャンエントリーを見せてくれています!
そしておまけとして、この時期にしか見られないザトウクジラも運が良いと上空から見えていますよ。



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過去に掲載した火山情報を見る (画像やビデオあり)
2012年のキラウエア火山 ロイヤルガーデンに残されていた最後の1軒が溶岩流に飲み込まれました。
2011年のキラウエア火山 プウオオが絶好調だった年。迫力ある溶岩流が何度も見られました。
2010年のキラウエア火山 オーシャンエントリーが止まったり流れたり。素晴らしい溶岩流が見えました。
2008年のキラウエア火山 ハレマウマウ火口が噴火した年です。