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2014年に掲載したキラウエア火山情報


2014年11月11日

溶岩流がついに1軒目の家をのみこむ

【11月10日 11:55AM】
6/27に始まった溶岩流の先端部は10/31に失速しパホアロード手前約160mで止まり、それ以来大きな変化はありません。しかしここ10日間ほどは、溶岩流の先端から200-1000m西側の火口に近い(標高の高い)地域で結構な量のサーフェス・フロー(溶岩が地表に流れ出る様子)があったため、林が燃え白煙が上がっています。

(溶岩流の勢いとスピード説明)
溶岩流の幅が細く縦に流れ出ると勢いがあり、溶岩流の先端は速いスピードで伸びていきます。しかし溶岩が横に広がり流れ出始めると広範囲に溶岩が広がるため、溶岩流の先端付近の勢力は弱まりスピードも落ちます。

10/31前後から溶岩流先端から西側でサーフェス・フローが横方面に流れ出はじめたために、溶岩流の先端が失速し溶岩活動が止まっていたわけです。しかしその横に広がりつつある溶岩が、今日の11:55AMにパホアのゴミ捨て場と墓地の中間付近にあった家(地図で見ると赤い屋根の建物)を遂に飲み込みました。(その家は娘たちが一緒にフラを踊る友達家族が借家として貸し出していた家である事を、今娘から知らされました。)6/27に溶岩が流れ出始め4ヵ月半、遂に最初の民家が呑み込まれてしまいました。明日までにはゴミ捨て場の建物も火に包まれ、姿を消してしまっている気がします。

現在の溶岩活動を見るなら
ヘリコプターツアー

2014年10月28日

火山緊急アップデート  溶岩流がパホアのすぐ手前まで到達!

【10/25/2014 3:50 AM】
6月27日、プウ・オオ火口から流れ出始めた溶岩流はApa'aストリートを呑み込み、さらにパホアの町、そして130号線へと向かって流れ続けております。現時点で溶岩流の先端からパホアまで600mです。



8/12-10/24 二ヶ月間の溶岩流の痕



10/15〜10/24 一週間の様子

【10/15】
溶岩流、Apa'aストリートまであと1kmに迫る。





【10/22】
溶岩流は一週間で185m先進。Apa'a ストリートまであと815mに迫る。





【10/24】
溶岩流がApa'a ストリートまで135mに迫る。今夜中に溶岩がApa'a ストリートを呑み込むという報告が出る。





【10/25】
Apa'a ストリートが溶岩流に呑み込まれる様子。溶岩流の約100m先にはパホアの墓地。
このアップデートがアップされる頃には墓地も溶岩に呑み込まれてしまっている事でしょう、、、







【参考】 
ビッグ・アイランド・ビデオ・ニュースから最新の火山・溶岩流の様子が動画でチェックできます。
Big Island Video News

2014年9月7日

溶岩流が東へ!パホアの町に迫る

2014年6月27日にキラウェア火山のプウ・オオ火口から流出し続けている溶岩は東へ東へ2ヶ月流れ続け、パホア町に迫っています。民家から1q位のところまで流れて来ており、この先目が放せない状態になっています。
地図1から下記の地名を探してください。
1) キラウェア・カルデラ
2) プウ・オオ 火口
3) マウナ・ウル 火口
4) イースト・リフト(東断層)
5) サウスウェスト・リフト(南西断層)
6) パホア町


【キラウェア火山の簡単な仕組み】
地球内部のマグマはキラウェア火山の山頂にあるキラウェア・カルデラの下にあるホットスポット(マグマが地表に出てくる前に一時的に貯えられている“地下マグマ倉庫”のような場所)から断層に漏れています。(キラウェア火山には東に伸びる断層“イースト・リフト(東断層)”と南西に伸びている“サウスウェスト・リフト(南西断層”が存在します。)そしてマグマは断層上の一番弱い表面(地表)を見つけては噴火を繰り返しガス、水蒸気そして溶岩(Lava:ラバ)等を火口から噴出させます。

もうすこし簡単に説明します。庭のホースの先を親指で閉じている場面を想像して見て下さい。蛇口がホットスポット、そしてホースが断層。圧力のかかったホースに針で小さな穴を開けたらどうなりますか?ホース内の水が出てきますよね。それが断層上にできている火口と同じ原理です。

そしてここ半世紀近くのキラウェア火山での噴火活動はイースト・リフト沿いで起きています。(カルデラでは2008年に噴火が始まって以来、火口内でも溶岩が見えたりしています。カルデラ内での噴火は1942年以来の珍しい出来事です。)1960年にはクマカヒ岬、1969-1974年はマウナ・ウル火口、そして1983年からの31年間プウ・オオ火口で噴火活動が起きています。

プウ・オオで噴火が始まってからは溶岩は主に南に向かって流れ続けてきました。その溶岩は林を燃やし、家や道を飲み込み海岸線まで辿り着きオーシャン・エントリーを繰り広げてきました。しかし2014年6月27日に新しい溶岩流が東の方角に(イースト・リフトと平行)流れ始めました。8月に入っても勢いを止めない溶岩流は、遂にいまだかつて溶岩が到達したことのなかった林にまで流れ込みました。(参照:写真1) 溶岩流は地表を這いながら林の木々を燃やし、なぎ倒しながら少しずつ東の海岸線(パホアの町方面)に向かって流れ続けてきました。そして9/3現在、民家から2キロまで溶岩流の最先端が迫っています。(参照:写真2/地図2)






溶岩の流れる向きが変わるか溶岩の流出量が減り、民家に被害が出ないことを祈るばかりです。自然を相手にしたら人間がどれだけ無力でチッポケな存在かが良く分かりますよね。

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過去に掲載した火山情報を見る (画像やビデオあり)

2013年のキラウエア火山 夏にオーシャンエントリーが止まってしまい、そこから長らく溶岩活動は停滞。
2012年のキラウエア火山 ロイヤルガーデンに残されていた最後の1軒が溶岩流に飲み込まれました。
2011年のキラウエア火山 プウオオが絶好調だった年。迫力ある溶岩流が何度も見られました。
2010年のキラウエア火山 オーシャンエントリーが止まったり流れたり。素晴らしい溶岩流が見えました。
2009年のキラウエア火山 オーシャンエントリーが活発な1年でした。
2008年のキラウエア火山 ハレマウマウ火口が噴火した年です。